DALI入門(2) アドレスの設定(アドレシング)

DALIのバス(ネットワーク)上のDALIデバイスには0~63の一意なアドレス(ショートアドレス)を割り当てます。
ただし、デバイスにはランダムに割り当てられてしますのがDALIの難しいところです。
アドレス割り当てのそのシーケンスについて調べてみました。

  • アドレス未設定のデバイスにアドレスを自動設定する
  • アドレス設定済みのデバイスのアドレスを変更する
  • DALI Interface

    DALIの設定および信号のモニタには、Tridonic社製のDALI Interface であるUSB DALIを使用しました。こちらのスマートライトスマートライトから購入しました。
    ソフトウェアは無料でダウンロードできます。

    Tridonic DALI USB

    masterCONFIGURATOR: DALI設定ソフトウェア
    DALI Monitor: DALIパケットキャプチャ(MasterConfiguratorに付属)

    アドレスの設定

    アドレスはmasterCONFIGURATORなどのDALI用アプリケーションやゲートウェイなどの「Addressing」あるいは「Scan」などの機能を使用して接続されている全てのDALIデバイスに自動的に割り当てます。


    アドレス0~3 (A0~A3)の4個のLEDデバイスが検出されている。

    アドレスはランダムに設定される

    DALIバス上には未設定のデバイスが複数接続されている場合、基本的に機器を指定してアドレスを設定することができません。
    アドレスは小さい値から順に割り当てられるようですが、どのデバイスに設定されるかはランダムです。繋がっている順番とか隣接しているとかの事情は考慮してもらえません。

    手順

    1. INITIALIZE: 全デバイス初期化
    2. RANDOMIZE: デバイスがランダムな24bitアドレス生成

    3. SEARCHADDR: 24bitのアドレスをH,M,L の8bit毎に分割して、H,M,Lより 0xFFFFFFから0x0方向へ上位1bitずつ小さいアドレスを送信する
    4. COMPARE: 自ランダムアドレスがSEARCHADDR以下のデバイスは0xFFを返す
    5. PROGRAM SHORT ADDRESS: ショートアドレスを見つかったデバイスへ設定
    6. QUERY SHORT ADDRESS: 設定したショートアドレスを確認
    7. WITHDRAW: そのデバイスアドレス設定終了

    2-7を全デバイスに設定するまで繰り返す

    8.TERMINATE:設定終了


    初期化コマンド(INITIALIZE)

    INITIALIZEコマンド(A5xx) はアドレスxxを指定することで、デバイスを特定して初期化しその後にアドレス設定ができるようです。

    00: 全デバイス
    FF: 未設定のデバイス
    xx: ショートアドレスxxのみ

    新規に全デバイスを設定する場合は A500 で初期化をします。この場合全デバイスが設定可能な状態になります。

    これに対して、追加したデバイスあるいは交換したデバイスのみを対象とする場合は A5FF を送信すれば既存のデバイスは設定可能な状態には入らないので、追加デバイスのみを対象として設定処理を行えるはずです。

    アドレスと実デバイスの確認 – 対向試験

    デバイスにどのアドレスが割り当てられたか確認するには、照明をOn/Offして確認します。アドレスがランダムに割り当てられるため他に有効な方法が見当たりません。
    そのため Configuratorやゲートウェイには「Wink」、「Locate」、「address test」などの機能があります。アドレス順に照明を点滅させたりすることでデバイスを特定し、アドレスとデバイスのマッピングを確認します。

    アドレスの変更

    ショートアドレスが設定されているデバイスのアドレスを指定アドレスに変更することも可能です。

    Tridonic DALI masterCONFIGURATOR は「Readdress」ボタンでアドレスを任意に変更が可能です。

    手順

    1. QUERY STATUS: 目的のデバイスのステータス確認
    2. DTR0=x: DTR0に変更するアドレスを送信
    3. SET SHORT ADDRESS(DTR0): そのデバイスのショートアドレスをDTR0の値に変更
    4. SAVE PERSISTENT VARIABLES: 変更されたアドレスを保存
    5. QUERY CONTROL GEAR PRESENT: 確認
    6. デバイスは0xFFを返す
    7. INITIALIZE: 初期化
    8. TERMINATE: 設定終了

    例:アドレス「3」を「4」に変更し、再び「3」へ戻したログ

    Digital-Light

    IoTLT の Control IoTLT を主催されている中畑さんのオープン制御についてのサイトです。DALIについてはプロトコル、デバイスについて詳しく解説されており大変参考になります。色々お世話になっています、ありがとうございます。

    Digital-Light

    DALI-2

    2018年にDALIの最新バージョン DALI-2がリリースされています。DALIはアドレスとコマンドで16bitですが、DALI-2は24bitと拡張されており、機能も増えています。同一バスに混在はできるようですが、さて今後はどんな展開になるのでしょうか。

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