Maker Faire Tokyo 2019 では展示物とは関係ないのですが、EnOceanのセンサーでCO2、温度、湿度をモニタリングしました。
SORACOM Lagoonで可視化したところ混雑と共にCO2が上昇しているのが記録されていました。
以前商用の展示会でも測定した際のシステムが流用できるので、個人的な興味で測定してみました。
特にそのデータで何かしようとかの意図はまったくなかったのですが、itox(@itoxdev)さんがツイートやQiitaで温度、湿度測定で来場者をモニタリングしようとされた投稿を見て、CO2が指標の一つになるかもしれないことに気付いた次第です。
昨日のMFT、来場者数の変化を気温と湿度の推移で取れるかなと思ってたら空調制御が優秀で何の変化もないグラフが出来上がってしまった。
それがCO2の値だときれいに取れてたと聞いて「なるほどなぁ」と。やってみないとわからない! https://t.co/2j0DSxCcwa
— itox(dev) (@itoxdev) August 4, 2019
[Qiita] Wio Extension – RTCで温湿度を電池駆動でモニタリングする
構成
EnOceanセンサー – EnOcean受信モジュール付OpenBlocks – SORACOM Air – SORACOM Harvest – SORACOM Lagoon
5分間隔でCO2、温度、湿度を送信します。
EnOceanセンサーは展示ブースに転がしておきました。
測定結果
1日目はCO2が入場開始時の 750 ppm からぐんぐん上昇しているのが解ります。16時ごろがピークで 1870 ppm を記録しています。
1500ppmを超えてくると集中力に影響があるよそうなので、十分混雑してますね。疲れる訳です。
2日目も同じ傾向です。開場前の 950 ppm 程度(前日の影響でしょうか)から上昇し、12時前に 1500 ppm を超えています。16時前に最大値 1740 ppm を記録しています。
温度湿度は比較的一定で、会場の空調が機能していたことが解ります。
1日目: 8/3(土)12:00-19:00
受信データ数:113 (9:38-18:57)成功率: 100%
CO2:最大 1870 ppm, 平均 1407 ppm
温度: 最大 27.8 ℃, 平均 26.3 ℃
湿度: 最大 63 %, 平均 58 %
CO2、温度湿度の数値表示は最大値です。
2日目: 8/4(日)10:00-18:00
受信データ数:106 (9:09-17:58)成功率: 100%
CO2:最大 1740 ppm, 平均 1455 ppm
温度: 最大 28.6 ℃, 平均 26.3 ℃
湿度: 最大 62 %, 平均 56 %
SORACOM Lagoon の表示変更
SORACOM Lagoonの値表示は、現在値だけでなく平均値(デフォルト)、最小、最大などに変更できます。
これが後からでも変更できるので結構便利。
Singlestat の [編集] – [オプション] – [表示] から選択すれば画面表示に反映されます。
SORACOM Harvest からデータダウンロード
データを詳細に確認したいのであれば、
SORACOM HarvestからCSVやJSONでダウンロードしてExcel処理しましょう。
通信料金
今回SORACOM Airを入れたOpenBlocksはラズパイIoT鉄道模型のAWS Greengrass による自動運転のため、AWSへ接続しています。
従って、通信データはこちらです。
・AWSへの周回数のカウント
・EnOceanセンサーデータ
2日間合計は基本料金も含めて 66円 でした。
WiFiが瀕死の展示会場でも3G回線のSORACOM Airは安定の通信でした。
呼出しボタン
あのボタンを呼出しボタンとして使用するつもりで持って行きましたが、ブースにずっといたのでテストで1回試しただけに終わりました。
そのため、画面左のSORACOM LTE-M Button のカウント数は1日目に1回だけです。
まとめ
展示会場は温湿度の空調は管理されていますが、歓喜の必要なCO2濃度はなり行きまかせの様ですね。混雑と共にCO2が上昇し、疲れてくる実感と一致するように思います。将来的には換気も含めて空調管理されると嬉しいですね。
itoxさんが植物を置いてCO2削減するアイデアを披露されていたので、緑いっぱいのブースで効果を測定してみたいです。
目に見えないものが可視化されると対策も取りやすいですね。来年はケナフ持ち込んでCO2濃度下げますか…!笑
— itox(dev) (@itoxdev) August 4, 2019
なんと、当時は軽く酸欠な状態だったのですか!こわ〜 ^^;
そんな状況を可視化するこのソリューションは、IoTの持つ潜在的なパワーを直観的に引き出した、とても有意義な試みだと感じます。