SORACOM LTE-M Button PlusにATtinyとフォトリレーでパルス出力回路をつくり、接点のOpen – Closeの両エッジを検出可能にしてみました。乾電池駆動にしてケースに収めたので設備の接点信号、ドアの開閉など色々な信号の監視に使えると思います。
はじめに
以前の記事
[2019-12-24] SORACOM LTE-M Button Plusから接点のOnとOffで異なるクリックを送信する
に書いたように
ひげボタンは接点入力が可能ですが「信号検知: Open -> Close の片エッジ」なので、ATtinyとリレーを使用してClose -> Openも検出する両エッジに対応させてみました。
実際のフィールドでの使用を想定して、乾電池駆動する独立したデバイスにしました。
回路
パルスの生成やLTE-M Buttonについては前回記事を参照してください。
LTE-M Buttonの接点入力コネクタは電圧がかかっています。実測でDC3Vぐらいでした。
これを短絡するので、入力回路と絶縁されているリレーが安心です。
前回の機械式リレーではDC5Vの上消費電流も大きいので、省電力なフォトリレーに変更しました。
秋月電子 フォトカプラ フォトリレー TLP222A
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-07330/
実装
タカチのケース SW-125 に入れてみたらなんと電池ボックスとLTE-Mボタンがジャストフィット。全くガタツキなし。
長辺方向はATtiny回路を入れるに十分です。
ただ、深すぎるのでスポンジを敷いています。
入力端子はユーロブロックとしたので着脱可能です。任意の接点入力の配線を接続できます。
プログラム
前回そのままです。
入力がLOWに変化すればOpen – Closeで立上りと判断してLong Clickに相当する 1500msecのHighを出力します。
逆に入力がHIGHに変化すればClose – Openで立下りと判断して Double Clickに相当するように500msecのHIGHを2回出力します。
#define PIN_IN 3 // pin 2
#define PIN_OUT 4 // pin 3
static int status = LOW;
void setup() {
pinMode(PIN_OUT, OUTPUT);
pinMode(PIN_IN, INPUT_PULLUP);
}
void loop() {
// Rising edge, Long Click
if (digitalRead(PIN_IN) == LOW && status == LOW) {
digitalWrite(PIN_OUT, HIGH);
delay(1500);
digitalWrite(PIN_OUT, LOW);
status = HIGH;
}
// Falling edge, Double Click
if (digitalRead(PIN_IN) == HIGH && status == HIGH) {
digitalWrite(PIN_OUT, HIGH);
delay(500);
digitalWrite(PIN_OUT, LOW);
delay(500);
digitalWrite(PIN_OUT, HIGH);
delay(500);
digitalWrite(PIN_OUT, LOW);
status = LOW;
}
delay(1000);
}
送信
SORACOM Funk – AWS Lambda -LINE Notify で通知しています。
ドアセンサースイッチ(リードスイッチ)を接続してマグネットをOn/Offしてみました。
無事通知されましたね。
SORACOM Lagoon でグラフ表示してみる
2020-03-27 追記
接点On = LONG, 接点Off = DOUBLE はそれぞれ数値 3, 2 が割り当てられています。SORACOM Harvestを有効にしてLagoonでグラフ化しました。接点以外にハートビートとして1日1回 SINGLEを送信しています。
OnとOffでパルス状になると視覚的には接点の挙動と一致するのですが、ノコギリ波になるのは仕方ないところです。とは言え接点の開閉が可視化されました。
待機電力の削減
乾電池で長期間駆動できるようにATtinyを待機中はスリープさせて消費電力を削減しています。しばらくランニングテストしてみます。
まとめ
これで接点のOpen/Closeの両方を送信するボタンができました。 「LTE-M Button Plus “Plus”」です。
何かの装置の接点信号、ドアの開閉センサーなどのOn/Off(開閉)が検出できます。
電池駆動でケースにも入れたので、この状態で設置・運用が可能です。
ATtiny回路の単3電池がどのぐらい持つのか測定してみる必要がありますね。
また、LTE-M ButtonはClose 状態を維持し続けた場合、その間の消費電力が増加するので、Open状態に戻す必要があるのですが、この仕組みであれば検出時のみCloseなのでLTE-M Buttonの電池にも優しいです。
一旦動作するとClose状態が続く動物のわなのセンサーにも良いかもしれません。
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